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明星の詩(うた)  ー窓をあけて星と語るー

myoujouart.exblog.jp

明星ライブラリーからお届けする、アート、本、暮らし、自然、などにまつわる日々のジャーナル。

SCAI THE BATHHOUSE と名和晃平さんの「FORCE」展_c0352652_1574929.jpg

(画像はscai the bathhouseのHPのイメージ画です。)

先日、東京の谷中にある現代美術ギャラリー「SCAI THE BATHHOUSE」
にて開催されていた、名和晃平さんの個展「FORCE」に伺いました。


SCAI THE BATHHOUSE と名和晃平さんの「FORCE」展_c0352652_15174575.jpg



SCAI THE BATHHOUSEは200年の歴史を持つ銭湯「柏湯」を
改装して現代美術ギャラリーとして、1993年にオープンしました。
屋根瓦に煙突の外観から一歩中に入ると高い天上に白い壁、
とても近未来的な広い空間が広がっていたことにびっくりします。


名和晃平さんは彫刻家であり、現在日本を代表する現代美術アーティスト。

最先端のテクノロジーを用いて様々な素材の特性を生かし、多様な表現を展開
しています。また京都にて創作のためのプラットフォーム「SANDWITCH」を主催し、
アート、建築、デザイン、企業とのコラボレーションなどの共同活動も注目されています。

今回の「FORCE」はまさにこれまで観たこと、体験したことのない
超越的な景色でした。

高い天上から幾筋にもなって雨のように直線状に降り注ぐ黒い液体(シリコンオイル)。
床面に溜まった黒い液体はとろりとした池をかたち作り、落ちる雨を瞬間ごとに
受け止めています。液体のような固体のような曖昧な物質が大きく目の前で
循環しいるような様子にただ、ぼんやり眺めることしか出来ませんでした。

時間と現象と物質を通した名和さんの「空間彫刻」。

初めて意識するような知覚の体験は、観終わった後の現実の中でも
私の細胞の中でざわざわと動めいているようです。

現在、東京オペラシティー アートギャラリーにて開催中の
「高橋コレクション~ミラーニューロン展~」で名和さんの「PixCell-Lion」を
観ることが出来ます。

SCAI THE BATHHOUSE と名和晃平さんの「FORCE」展_c0352652_1574879.jpg









# by myoujoulibrary | 2015-05-04 14:58 | art exhibitition
先月のことになりますが、2016年に開催される「あいちトリエンナーレ2016」
に向けて、現代アートを楽しみながら学ぶためのレクチャー形式のスクール、
「トリエンナーレスクール」の第6回に参加しました。
会場は愛知芸術文化センター。

トリエンナーレ・スクール「第6回」に参加しました。_c0352652_23303667.jpg


各分野の第一線で活躍する専門家たちをゲストに向かえ、「あいちトリエンナーレ2016」
のテーマ「虹のキャラバンサライ 創造する人間の旅」を体感できるプログラム。

その第6回として開催されたテーマは「学校では学べない!オルタナティブな場での創造性」でした。

講師は会田大也さん。会田さんはこれまで山口情報芸術センターで教育普及担当として
オリジナルワークショップの開催に尽力されてきました。
モデレーターは服部浩之さん(あいちトリエンナーレ2016キュレーター)

「オルタナティブ(alternative)」とは・・・「代替の」または「既存のものととって代わる
新しいもの」という意味。

医療の場でオルタナティブ医療というと「民間療法」を指す場合が多いようです。
オルタナティブエネルギーといえば、石油などに代わるエネルギー資源のこと。

オルタナティブ教育とは、公教育のシステムの中では育むことが難しい
創造性や自主性、人間性、コミュニケーション力を尊重することに重点が
置かれたもの。

会田さん達がYMCA(山口情報芸術センター)で実践されてきたワークショップ
への想いや取り組み、子供たちの様子を伺いながら、これからの教育がアートと
ともにあることを実感しました。

知性と創造性、自立的成長、生きる力、が育ち、より良い社会を創造する
子供たちが大切されるような環境作り。

お話を聞きながら思い出していたのは北イタリアの小さな都市、レッジョ・エミリアで
長年おこなわれてきた教育実践。レッジョ・エミリアでは第2次世界大戦後、町を上げて
子供たちの芸術教育に取り組んできました。そこでは、デザイナーや芸術家と教育専門家
が共同で保育し、アートの創造的体験を通して、子供たちの可能性を育てます。


トリエンナーレ・スクール「第6回」に参加しました。_c0352652_23303741.jpg



明星ライブラリーも微力ながら、創造性と学びの探求の可能性に満ちた場で
あり続けることを目指し、精進して参ります。


# by myoujoulibrary | 2015-04-17 23:23 | art journal
白木蓮_c0352652_17204065.jpg

春の風にたおやかに揺れる大きな白木蓮。

撮影:2015.3.25


# by myoujoulibrary | 2015-04-09 17:20 | 写真(pictures)
根津美術館にて_c0352652_16305123.jpg

2日間の東京滞在。

限られた時間の中で、訪れたかった根津美術館へ。
表参道駅から骨董通りを歩いて約10分のところに建つ私立美術館。

1941年に開館し、現在の展示館は隈研吾氏による設計で2009年に新設。
政治家、実業家でもあった根津嘉一郎氏が蒐集した日本、東洋の古美術品を
保存し、展示するために作られました。

嘉一郎氏が晩年、自ら茶の湯を楽しむ中で集めた
数々の茶道具も重要なコレクションの柱。

敷地は根津嘉一郎氏の私邸跡で広大な日本庭園に
4席の茶室も魅力です。


根津美術館にて_c0352652_16304764.jpg

路地のようなアプローチ。


根津美術館にて_c0352652_16304896.jpg

根津美術館にて_c0352652_16304929.jpg

根津美術館にて_c0352652_16305085.jpg

起伏のある土地に深山幽谷の趣のある自然豊かな景色。
時折、響くししおどしの音。

次回は庭園内の別館のカフェ「NEZU CAFE」で庭をながめながら
ゆっくりとコーヒーと一緒に休憩したいものです。


根津美術館にて_c0352652_16312892.jpg

開催されていた展示は

「菩薩」展。

悟りを得たにもかかわらず、あえて人間界に降りて人間の
苦楽に向き合い、救済の手を差し伸べる「菩薩」。

様々な菩薩を表した飛鳥~江戸時代の彫刻・絵画・などを堪能させていただきました。

展示室3~5では同時開催の収蔵展。

「暮春の茶」をテーマとした約20点の茶道具の展示に感じた春の芽吹き。
「花の白河」と銘のある粉引きの高麗茶碗と良寛さんの和歌が
印象に残っています。


根津美術館
東京都港区南青山6-5-1




# by myoujoulibrary | 2015-04-09 16:30 | art journal
「明日の神話」/岡本太郎_c0352652_1557729.jpg


岡本太郎さんの最大、最高の傑作「明日の神話」。

たて5.5m×よこ30mのこの壁画の制作は1968年頃で

メキシコシティの郊外の倉庫での長い眠りから

目覚めたのは2003年でした。

2007年の汐留→東京都現代美術館を経て2008年から

渋谷駅に恒久設置されています。


原爆の炸裂する瞬間の燃え上がる骸骨、逃げまどう生き物たち、

残酷な悲惨さと同時に生まれる誇り高い純粋で透明な叫び。


「芸術は鑑賞しなくてもいい、文句を言ってもいい、無視してもいいんだ。」
と言った太郎さん。

一日約30万人もの人が行き交う渋谷駅の道から
力強いメッセージを発し続けています。

このずっと会いたかった「明日の神話」。

大きな勇気をいただいたような気持ち。

渋谷駅にて。(2015・3・24)




# by myoujoulibrary | 2015-04-09 15:55 | art journal

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